コンクリートの粗骨材は、大きく砂利と砕石に分けられます。
また、最大寸法の大きさによっても種類があります。
この記事では、コンクリートの粗骨材の最大寸法の基準や寸法の違いの理由について説明します。
コンクリート用粗骨材の最大寸法・基準
建築学会
建築基準法施行令の第72条には、
と定められていることから、最大寸法を規定しています。
鉄筋のあき・かぶり厚さとは
- A…最小かぶり厚さ(鉄筋とせき板との間)
- B…鉄筋のあき(鉄筋相互間)
粗骨材の最大寸法は、鉄筋のあきの4/5以下及び最小かぶり厚さ以下とされていて、下表をもとに定めます。
粗骨材の最大寸法 | ||
使用箇所 | 砂 利 | 砕石・高炉スラグ粗骨材 |
柱・梁・スラブ・壁 | 20、25mm | 20mm |
基 礎 | 20、25、40mm | 20、25、40mm |
土木学会
粗骨材の最大寸法は、
とされていて、下表をもとに定めます。
粗骨材の最大寸法 | |
構造条件 | 最大寸法の標準値 |
最小断面寸法500㎜及び 鋼材の最小あき・かぶり厚さの3/4が40㎜以上 | 40mm |
上記以外 | 20、25mm |
舗装コンクリート | 40mm以下 |
ダムコンクリート | 150mm以下 |
粗骨材の最大寸法に基準がある理由
コンクリートは粗骨材の最大寸法が大きい方が単位水量が少なくなるため、大きい方が良いとされています。
とはいえ、型枠内の隅々まで充填できなければ意味がないため、部材の寸法や鉄筋間隔によって、最大寸法を選択する必要があります。
一般に建築構造物は、土木構造物に比べて複雑な形状で小さな断面に入り組んだ配筋をするため、20(25)㎜が標準です。
土木構造物は、比較的マッシブな断面のため、最大寸法も大きくすることが出来ます。
コンクリート 粗骨材の最大寸法 20mm 25mm 違い
1960年代頃までは、コンクリートの骨材は天然の川砂利・川砂が多く使用されていました。
しかし河川保護のため、採取量の規制が始まり、砕石・砕砂の使用が増えてきました。
粗骨材の最大寸法 | ||
使用箇所 | 砂 利 | 砕石・高炉スラグ粗骨材 |
柱・梁・スラブ・壁 | 20、25mm | 20mm |
基 礎 | 20、25、40mm | 20、25、40mm |
すでに紹介した建築学会の表ですが、砂利は20・25㎜・砕石は20㎜となっていますね?
この違いを説明します。
砂利は粒形が丸いため、大きい粒でも充填性がある。一方、砕石は角張ったものが多く大きい粒では充填性が悪くなるため、砂利よりも小さい粒としています。
また、一般に最大寸法20㎜の砂利は入手しづらいことも理由として挙げられます。
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