コンクリートのJIS規格品・外品・適合品・認証品とは

規格
この記事でわかること
  • 規格品・規格外品の違い
  • JISマーク表示とは何か?
  • JIS規格品・JIS適合品・JIS認証品の違いとは
  • 各種仕様書でのJIS品の取り扱いについて

コンクリートのJIS品・JIS外品ってなにが違うのか知っていますか?JISマークの有無と思っていませんか?

JIS規格品・JIS外品・JIS適合品・JISマーク品、似たような単語で戸惑う事も多いと思います。この記事では、それぞれの意味の違いと理由を説明しています。

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そもそもJISとは?                               

2019年7月1日付で工業標準化法が産業標準化法に改正されたことにより、従来のJIS(日本工業規格)からJIS(日本産業規格)へと変わりました。JISとは、Japanese Industrial Standardsの頭文字をとっています。

従来は工業製品を対象とした規格でしたが、産業規格と改め、情報処理やサービスに関する分野にも枠組みを広げています。

JISの目的は、規格を定め法律とすることで、生産の効率化・互換性の確保・公平性の確保・安全や環境の保持などを図ることにあります。

例えば乾電池のサイズは統一されているので、欲しい電池がすぐに見つかりますよね?

サイズが統一していなかったら、欲しいサイズを探すだけで苦労するのね…

統一し単純化する事で購入者にとっては迷わずに済みますし、生産者にとっては種類を減らす事で効率化につながります。

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JIS規格品とは?

コンクリートのJIS規格は、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)ですが、規格には、コンクリートの種類・使用材料・品質・製造方法・検査方法など細かく規定されています。

JIS規格品とは、それら全てに適合したものを言います。JISに規定されていない種類のコンクリートであったり、規定のない材料を使用したりと、理由は様々ありますが、規格に適合しないものはすべてJIS外品となります。

JISの規格に無いもの=JISの外にある品→JIS外品となります。
では、JIS規格品とはJISマーク品と同じものなのでしょうか?

JISマークってなに?

JISマークとは、その製品がJISに適合していると認められた事を示すマークです。「認められた事を示す」とは、国の登録認証機関によって製品の品質や管理体制の審査を受け、JISに適合していると認証(認められる)される事を言います。

つまり、JISの規格に適合している製品であっても、JISの認証(認められる)を得ずにJISマークを表示することは出来ないんだよ。

JIS規格品は、JISの規格に適合している製品、JISマーク品は、JISに適合し認証を受けた製品という事になります。

  • JIS規格品(JISマークなし)…JIS規格に適合した製品=JIS適合品
  • JIS認証品(JISマークあり)…JIS規格に適合し、認証を受けた製品

JIS適合品とJIS認証品とJIS規格外品の違い

建築基準法第37条(建築材料の品質)において、建築物の基礎や主要構造部に使用するコンクリートは、JISに適合するものか、個別に大臣認定を受けたものとされています。

この場合の「適合するもの」とは、JISマークが表示されているかどうかではなく、JIS A 5308の基準を満たしていると判断できるか否かです。

ここで、分かりやすくお伝えするために混和材料を例に説明します。

JIS A 6202コンクリート用膨張材

膨張材を使用したコンクリートはJIS適合品ですが、JIS認証品(JISマークあり)となるかは、製造した工場が膨張材の使用について認証を受けているかどうかで変わります。

コンクリート用防水材

防水材という混和材料は、JISに規定がありません。ですからJIS認証品は存在しません。ですが防水材を使用したコンクリートが、JIS A 5308の基準を満たしていると判断されるため、JIS適合品とみなすことになります。

JIS A 6208 コンクリート及びモルタル用合成短繊維

合成短繊維はJISに規定のある混和材料ですが、合成短繊維を使用したコンクリートはJIS外品です。JIS認証品でもなく、JIS適合品でもなく、JIS外品という判断になります。その理由は材料自体はJISに規定があるものの、合成短繊維を使用したコンクリートは、一般のコンクリートとは管理方法が異なるため、JIS A 5308の基準を満たしているという判断が難しいためです。

仕様書でのJISの取扱い

JASS5

JISに適合するコンクリートを使用する場合、JISマーク表示品を優先すること。JISマークの表示がない場合はJISの認証を受けている工場を優先して選ぶこと。

JISに適合しないコンクリートを使用する場合、大臣認定を受けたものを使用し仕様等を含めて特記するものとする。

標準示方書

JISに適合し、JISマーク表示のある製品を使用すること。JISに適合しないコンクリートを使用する場合、JISの認証を受けている工場を優先して選ぶこと。

公共建築工事標準仕様書(営繕)

  • Ⅰ類…JISに適合し、JISマーク表示の認証を受けた製品
  • Ⅱ類…Ⅰ類以外のJISに適合した製品
  • 又は、大臣認定を受けた製品

どの仕様書においても原則は、JISマークの表示があるものを使用する事、JISマークの表示がない場合、JISの認証を受けた工場を優先して選ぶ事となっています。

JISの認証とは製品自体の品質だけでなく、工場の生産体制や品質管理状況も審査します。そのため、JISの認証を受けた工場というのは、管理体制が一定以上のレベルにあるという判断が出来るため、JISの認証を受けた工場を優先しなさいという事になります。

まとめ

今回の記事は、JISマークの有無について説明しました。JISマークは規格に適合している事を、審査を受けて認められたという証明のマーク。JISに適合しているかどうかとJISマークが有るか無いかはイコールではありません。JISマークが無い場合、資料や試験によってJISに適合しているという事を建築主事に示す必要があります。

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