コンクリートの強度とは?設計基準強度、品質基準強度、調合管理強度など詳しく解説

コンクリート講座

あなたは、設計基準強度と品質基準強度の違いを説明できますか?

コンクリートの強度に関する用語はたくさんあります。

その多くは似たような言葉が多く、勘違いしたり、意味を覚えるのに苦労します。

ボンヤリとは意味を分かっていても、多くの方が、ハッキリと意味や違いを知らないようです。

用語の意味を具体的に理解することで、勘違いやうる覚えを無くして行きましょう。

強度の用語

  1. 設計基準強度(Fc)
    • 構造設計において基準とする強度、構造体コンクリートが満足しなければならない強度
  2. 耐久設計基準強度(Fd)
    • 構造体コンクリートが、計画共用期間の級に応ずる耐久性を確保するために、必要とする強度
  3. 品質基準強度(Fq)
    • 構造体が、要求される性能を得るために必要とされる、コンクリートの圧縮強度
  4. 構造体強度補正値(mSn)
    • 調合強度を定めるのための基準とする、標準養生した供試体の圧縮強度と、保証材齢における構造体コンクリート強度、との差に基ずくコンクリート強度の補正値
  5. 調合管理強度(Fm)
    • 調合強度を定め、調合強度を管理する場合の、基準となる圧縮強度
  6. 調合強度(F)
    • コンクリートの調合を定める場合に、目標とする平均の圧縮強度
  7. 呼び強度
    • コンクリートを発注する際の圧縮強度

各種基準強度の解説

設計基準強度とは

構造設計の時に基準とした強度の事で、構造安全性上必要な、耐力や剛性を表します。

Fc(エフシー)という記号で書きます。

つまり設計基準強度とは、建物に必要な耐力のことです。

この建物の強さは、27N/mm²で設計しましたよ、という事を表しています。

一般的なコンクリートのFcは、18~36N/mm²が標準的な値になります。

耐久設計基準強度とは

ある期間の間、重大な劣化が生じないように、耐久性上必要な圧縮強度の基準値。

Fd(エフディー)という記号で書きます。

つまり耐久設計基準強度とは、建物に必要な耐久性のことです。

この建物は、65年は崩れ落ちないように設計しましたよ、という事を表しています。

期間の定め方は以下の4つから選びます。

  • 短期(おおよそ30年)18N/mm²
  • 標準(おおよそ65年)24N/mm²
  • 長期(おおよそ100年)30N/mm²
  • 超長期(おおよそ200年)36N/mm²

品質基準強度とは

コンクリートが、求められる強さを得るために必要な、圧縮強度。

Fq(エフキュー)という記号で書きます。

つまりとは、建物に必要な耐力、耐久性の両方を表しています。

この建物の強さは27N/mm²で、65年は崩れ落ちないように設計しましたよ、という事を表しています。

構造物の検査において、判定基準となる値でもあります。

構造体強度補正値とは

基準とするコンクリートの圧縮強度と、構造体コンクリート強度との差。

一般にmSn(エス)という記号で書きます。

ここで、コンクリートの検査について少し説明します。

コンクリートの検査は、型枠にコンクリートを打ち込むときに、検査用として別にサンプルをつくるというやり方をします。

すると、検査用のサンプルと実際に打ち込んだ構造体の圧縮強度に、強度差があることが分かりました。

その強度差が、構造体強度補正値mSnになります。

mSnは、セメントの種類と予想平均気温により標準値が決められており、一般に3か6になります。

構造体強度補正値は、この記事だけで理解するのは難しいかもしれません。下の記事でより分かりやすく詳しく解説しています。

関連記事>>>コンクリートの強度補正とは?補正値・期間・意味などまるっと解説

そして、なぜ構造体強度補正値が必要になるのかは、コンクリート強度の増加の理由に関係しています。その理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事<<<コンクリートの強度発現って何?意味や違いなどまるっと解説

調合管理強度とは

品質基準強度Fqと構造体強度補正値mSnを足した値。

Fm(エフエム)という記号で書きます。

調合強度とは

圧縮強度のバラつきを加味して、調合管理強度に割り増しをした強度。

F(エフ)という記号で書きます。

呼び強度とは

コンクリートを発注する際の圧縮強度。

一般的には、呼び強度=Fm(調合管理強度)とすることが多いです。

コンクリート強度の定め方

ここまでが理解できていれば、コンクリートの強度については完璧ですよ!

難しい言葉が多くて、よく分からないのぉ

何やらしっくりきていないみたですね?

たしかに言葉の説明だけでは、イメージしずらいですよね。

それでは、例題をみながら一緒にやってみましょう!

とある駅前の土地に、5階建ての賃貸マンションを建て、家賃収入を得る計画を考えました。

設計基準強度Fc(地震や衝撃に耐える力)は、27N/mm²として設計しました。

耐久設計基準強度Fd(日射や雨水などに耐える期間)は、償却期間を考えて50年と設計しました。

Fdは、標準(おおよそ65年)の24N/mm²になります。

  1. 外力に抵抗する強さ=地震や衝撃に耐える力・・・Fc=27
  2. 環境作用に耐える強さ=日射や雨水などに耐える期間・・・Fd=24

品質基準強度Fqとは、耐力・耐久性の両面から必要な強度の事。

品質基準強度Fq(コンクリートに求められる強さ)は、FcとFdのどちらか大きい方になります。

Fc=27 Fd=24 

Fq=Fc > Fd か Fq=Fd > Fc  なので、

Fq=27(Fc27 > Fd24)となります。

ここまでの条件を一度整理しておきましょう!

  • 設計基準強度Fc=27
  • 耐久設計基準強度Fd=24
  • 品質基準強度Fq=27

建物の強度としては、27N/mm²であれば問題ないとわかりました。

では、建物の強度を27N/mm²以上につくるためのコンクリートはどのくらいの強度が必要でしょうか?

ここで、構造体強度補正値mSnの出番です。

建物自体の必要な強度は、27N/mm²です。

構造体強度補正値mSnは、コンクリート自体と構造体コンクリートの強度差でしたね?

補正値という事は、27N/mm²のコンクリートで建物を作っても、建物自体は27N/mm²の強度にならないと言うことです。

構造体強度補正値mSn の分だけ(通常は3or6 N/mm² )強度の高いコンクリートで建物をつくらなければなりません。

Fq (27) + mSn  (3もしくは6) = 調合管理強度Fm (30もしくは33) 

調合管理強度 Fm = 30、33としなければ、必要な強度が得られないという事です。

構造体に必要な強度(Fq)+ サンプルと構造体の強度差(mSn)とすることで、

サンプルの強度検査の値が調合管理強度(Fm)以上であれば、構造体コンクリートの強度が品質基準強度Fqを満足しているという事になるのです。

いよいよ最後です。

ここまでで、調合管理強度Fm (30もしくは33) が決まりました。

では、実際のコンクリートは 30もしくは33 N/mm² で製造して安心でしょうか?

答えはノー!です。

コンクリートは、製品の特性上、品質にある程度のバラつきがあります。

そのバラつき分、 調合管理強度Fm よりも強い強度を目標値として、製造しなければなりません。

調合管理強度 + バラつき分の強度 = 調合強度とすることで、調合管理強度を下回らないようにしています。

こうして調合強度を定めた後、コンクリートの発注をする際の強度を、呼び強度といいます。

無事に呼び強度を定めて、コンクリートを発注することが出来ました。

この一連の流れが、コンクリートの強度の定め方になります。


コンクリートの設計基準強度(Fc)と呼び強度の関係について、すぐに理解するのは大変かと思います。

コンクリートの強度について知ると、構造体強度補正値の意味も理解しやすくなり、Fcと呼び強度の関連性も分かりやすくなると思います。

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