コンクリートの強度発現って何?意味や違いなどまるっと解説

強度

コンクリートは、固まるまで強度がありません。固まってからすぐに強度が出るわけでもありません。強度発現は、様々な要素が互いに影響しあいながら起こります。

この記事では、強度発現についてを分かりやすく解説していきます。

強度発現とは、どういう意味か

コンクリートには、大きく分けると2つの状態があります。

製造された直後の状態は、フレッシュコンクリートや生コンと呼ばれます。一方、固まって強度が出た状態を、硬化コンクリートと呼んでいます。

フレッシュコンクリートには強度がなく、硬化するにつれて強度が大きくなっていきます。潜在的に有している強度が、徐々に現れてくることを、強度が発現した、または強度発現したといいます。

強度発現とは、

「固まっていないコンクリート」が徐々に強度が出てきて「硬化コンクリート」へと変化していく過程を表す言葉

と考えるとイメージしやすいと思います。
ここから、コンクリートの強度発現について詳しく解説していきます。

強度発現には、セメントと温度と養生が関係している

コンクリートの強度発現は、セメントの水和反応の進行によって進んでいきます。そして、水和反応は、温度と水分の影響を受けながら進行していきます。
つまり、強度発現には、セメントの水和反応と温度と水分が関係しています。

これから、強度発現に関係する3つの要素を順番に説明していきます。

セメントの種類によって強度発現は変わるのか?

強度発現=セメントの水和反応とも言えるほど、セメントは強度発現に関係しています。水和反応なくして強度発現はないと言ってよいでしょう。

セメントには、様々な種類がありますが、種類毎にセメントの鉱物組成に違いがあります。その組成の違いが、強度発現の違いになります。以下に、一般的なセメントをいくつか紹介します。

  • 普通ポルトランドセメント
  • 早強ポルトランド
  • 高炉セメント
  • 中庸熱ポルトランドセメント
  • 低熱ポルトランドセメント

つぎに、セメントの鉱物組成の主な一覧です。

名 称 略 号 水和反応の速度 強 度水 和 熱
アルミン酸三カルシウム C3A非常に速い1日以内の早期
けい酸三カルシウム C3S比較的速い 28日以内の早期
けい酸二カルシウム C2S遅い 28日以後の長期
鉃アルミン酸四カルシウムC4AFかなり速い強度にはほぼ関係ない

この表から、水和反応の速さと強度発現の速さと水和熱の大きさは比例していることが見て取れます。セメントの種類だけでなく、セメントの量も強度発現に影響を及ぼします。

強度発現に関係する温度とは

一般に、化学反応は温度に依存することが知られています。水和反応も、温度の高低で、反応速度が変わります。コンクリートの強度発現に作用する主な温度を、影響の度合い順にまとめました。

  1. 外気温(養生温度)
  2. 自己発熱
  3. コンクリート温度

もっとも影響を及ぼすのは、外気温です。外気温とは、言い換えると養生温度とも言えます。

次に自己発熱です。自己発熱とは、水和反応の際にコンクリート自身が生む熱のことです。セメントの種類や量によって、発熱量が変わってきます。

最後に、コンクリート温度、生コンの温度も初期強度発現に影響を及ぼします。

強度発現を促す水分

先ほど、 化学反応は温度に依存することが知られていると書きましたが、温度以外にも反応速度に影響を及ぼす要因があります。
それは反応物の濃度です。水和反応において、セメントの反応物とは水分を言います。つまり水分濃度の反応速度に影響しています。

生コン内部には水が存在しているものですが、水和反応が進むにつれて、セメントの周辺の水は次第に吸収されてしまい、水分不足に陥ります。
そうすると、水分の得られないセメントは水和反応を起こすことが出来なくなるのです。

そのためコンクリートは、養生期間中の湿潤条件の影響を受け強度を発現していきます。

強度発現が続く日数とは

コンクリートの強度発現は、どのくらいの日数続くと思いますか?

コンクリートは、28日後に目標強度が発現するように設計されています。それでは、28日経つと強度発現が終わるかというと、そうではありません。日本でコンクリート構造物が造られ始めた1900年代、北海道に小樽港北防波堤という構造物が造られました。その防波堤のコンクリートは未だに強度発現を続けています。

コンクリートの配合や環境によって一概には言えないですが、一般的なコンクリートでも10年程度は水和反応は続いていると言われています。

グラフで見る強度発現曲線

ここで、強度発現の違いを比較するのに、視覚的にみるため強度発現曲線というグラフをいくつか紹介します。一般的な傾向をグラフ化したものですので、必ずこのグラフ通りの値になるというものでありません。

セメントの種類別グラフ

養生温度別グラフ

乾燥状態別別グラフ

3つのグラフから、強度発現の早いセメントは長期的な強度発現が少ない事が見て取れます。
そして、養生温度が低いほど強度発現の速度が遅く、初期の強度発現は少ないです。
乾燥状態の緑色の線は、 所定の期間、養生をした後に脱型をして、空気中で強度発現した構造体をモデル化したものです。

モデル化した線は、28日を過ぎて強度が下がっています。
コンクリートの強度は、乾燥が進むと一時的に見かけの強度が大きくなるためで、実際は強度が下がっているわけではありません。
しかし、強度発現の反応は非常に緩やかであることが分かります。

このように、3つの要素がお互いに影響し合いながら強度を発現していくため、状況に応じて臨機応変に対処する事が重要だと言えるでしょう。

真夏や真冬に、強度補正を大きくしたり、養生を工夫したりしなければならないのは、乾燥や高温により長期の強度発現が乏しくなったり、低温や乾燥により強度発現のスピードが遅いからなのです。

強度補正に関しては、強度発現曲線を分からないと、イメージしずらいと思います。

同じカテゴリーの記事>>>コンクリートの強度補正とは?補正値・期間・意味などまるっと解説

コメント

タイトルとURLをコピーしました