コンクリートのテストハンマー 試験方法や使いかた、補正値を解説

コンクリート講座

構造体コンクリートの強度を推定する方法には、供試体(テストピース)を圧縮強度試験する方法以外にも、非破壊試験という方法があります。非破壊試験とは、リバウンドハンマー(テストハンマー)でコンクリートを打撃した際のコンクリートからの反発力から強度を推定する試験方法です。

非破壊試験のメリットは、供試体の作成がいらない、繰り返し試験をすることが出来る、構造体を直接試験出来る、などがあります。

本記事では、コンクリート強度の非破壊試験について、解説します。

非破壊試験の規定

JISでの非破壊試験に関する規定には、「JIS A 1155 コンクリートの反発度の測定方法」というものがあります。この規格は、非破壊試験に使用するリバウンドハンマー(テストハンマー)の規定や測定方法については規定がされていますが、推定強度に関する規定には触れられていません。

反発度から強度を推定する明確な規定を作成することが出来なかったため、反発度の測定方法のみを制定しています。

つまり、反発度と圧縮強度の関係を示す理論式がないということです。

反発度から強度を推定する換算式は、各種学会や研究者から発表されていますが、この記事では、一般に広く採用されている「日本材料学会」の換算式を紹介します。

テストハンマーによる非破壊試験方法

反発度の測定

テストハンマーの点検

テストハンマーは使用回数を重ねたり、長期間使用しなかった場合などに、バネの疲労や内部の摩擦などの変化により、測定値に誤差が生じることがあるので、測定前にテストアンビルによって、測定値の確認を行い検定と調整を行います。

測定箇所の選定

測定箇所を決める場合には、一般に次のような事に気を付けなければなりません。

  • 厚さ10cm以下の床や壁、15cm以下の柱など、薄くて長い部材・細くて長い部材は避ける
  • 部材の端から5cm以上内側の場所を選ぶ
  • 表面が凸凹した部分や穴のあいた部分を避けて、均一に見える箇所を選ぶ

薄い部材や細い柱では、ハンマーの打撃によって部材自体が揺れ、反発度に影響がでたり、表面の状態が測定結果に影響するため、部材の平均的な場所を選定することが大切です。

コンクリート表面の処理

測定面に凸凹や付着物がある場合は、と石等で研磨し、削りカスや付着物をふき取ってから測定する。コンクリートに仕上げ層がある場合にも、研磨などで取り除き、コンクリート面を直接測定できるようにする。

反発度の測定方法

測定についてJISでは「25~50mm間隔の9点について測定する」となっており、土木学会では「3cm以上の間隔を持った20点について測定する」となっています。反発度の測定値はバラつきが大きいため、測定点を増やしたほうが変動が少なくなる

具体的には、コンクリート面に3~4cm間隔のマス目(縦5×横5)を書き、左上から順番に打撃していくのが良いでしょう。25点分のマス目を書くのは、20点中に異常値があった場合はその値は採用せずに、新たな測定値を採用するため、あらかじめ測定点を決めておくほうがスムーズなため。測定のやり方は、コンクリート面に対してテストハンマーを垂直に押し込み、その時の反発度を読み取るだけ。

測定値の平均値を計算し、平均値と20%以上の差がある測定値があった場合はその測定値を捨て、あらたに新しい測定点で測定した値で平均値を再計算する。これを、測定反発度とします。

基準反発度の計算

基準反発度とは、測定反発度に補正を加えた値で、強度推定を行う際の基準となる反発度です。

0=R+⊿R

  • 0:基準反発度
  • R:測定反発度
  • ⊿R:補正値

補正値については、以下のような項目があります。このような場合は、測定反発度に補正をかける必要があります。

  • テストハンマーを水平に打撃できなかった場合
  • コンクリートが打撃方向に対して直角な圧縮応力を受けている場合
  • コンクリート内部が湿っていたり、表面が濡れている場合

基準反発度からテストハンマー強度への換算

測定した反発度に補正を加えて基準反発度を求めたら、以下の日本材料学会の換算式を用いてテストハンマー強度を算出します。

F = (-18.0+1.27×R0)×α

  • F:テストハンマー強度(N/mm2)
  • α:材齢係数材齢係数 ( 材齢10日~27日までに試験した場合のみ )

ここで、テストハンマー強度と書いてある理由は、反発度から求めた強度と圧縮強度では、推定誤差が大きく、テストハンマー強度≒圧縮強度とは言いずらいためです。

より正確に推定するには、構造体と同じコンクリートで作られた圧縮強度試験用の供試体で、反発度を測定し、テストハンマー強度と圧縮強度の関係式を確認した上で、非破壊試験を行うのが良いでしょう。

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