コンクリートの凝結とは何?強度はある?意味や試験方法、既定値について

性質
この記事でわかる事
  • 凝結とは何のこと?
  • 凝結はコンクリートとセメントで違う?
  • 凝結時間には何が影響してるの?
  • 凝結時間をコントロールする方法とは?

凝結は、施工性を左右するためコンクリートの性質の中でも重要視されやすいものです。凝結と硬化の違いをきちんと理解していますか?

今回の記事では、コンクリートの凝結に関して説明します。

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凝結とは何のこと?

凝結とは、流動性が無くなり硬化が始まるまでの間の状態の事です。

コンクリートは練り混ぜから時間を経て次第に流動性が無くなりやがて硬化していきます。生コン→凝結(始発)→凝結(終結)→硬化という過程を経て強度の発現が起こります。

凝結と硬化を混同してる方も多いと思いますが、凝結と硬化は別の現象だと理解しておきましょう。凝結は、強度発現が起こる前段階の状態、つまり凝結の段階ではまだ強度がないという事です。

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コンクリートの凝結とセメントの凝結の違いとは

凝結には、コンクリートの凝結とセメントの凝結の2種類があります。どちらも意味は上記で説明した通りですが、一般的に、セメントの凝結の方が早いとされています。

コンクリートの凝結とセメントの凝結の違いを凝結の要因とともに確認しましょう。

凝結に影響を及ぼす要因とは

下の表は、凝結時間の要因の対比表です。

凝結時間が短い 凝結時間が長い
温度が高い 温度が低い
スランプが小さい(単位水量が少ない) スランプが大きい(単位水量が多い)
W/Cが小さい W/Cが大きい
化学混和剤の量が少ない 化学混和剤の量が多い
混和材を使っていない 混和材を使っている

この表から読み取れる事は、単位水量・W/C・化学混和剤が要因となることが分かります。コンクリートとセメントの凝結時間の差もこの辺りが影響している事を説明します。

コンクリートの凝結

試験には、コンクリートから粗骨材を取り除きモルタルのみを使用します。そのため、コンクリートの単位水量・W/Cによって凝結時間が左右されますし、一般的に化学混和剤を使用しているため凝結時間が長くなる要素が多いのが、表で確認できます。

セメントの凝結

試験には、セメントを水で練ったセメントペーストを使用します。標準軟度という一定の軟らかさに練混ぜるのですが、おおよそW/C30%前後で標準軟度となります。

そのため一般のコンクリートに比べてW/Cがかなり低くなりますし、化学混和剤の使用もないため凝結時間はコンクリートに比べて短くなります。

コンクリートの凝結試験ってどういう試験?

凝結の試験には、JIS A 1147(コンクリートの凝結時間試験方法)があります。

プロクター貫入抵抗試験と呼ばれる事も多いので覚えておいてください。

コンクリートから採取したモルタルを容器に詰め、貫入針と呼ばれる針を刺します。針を刺すのに必要な力(貫入抵抗値)は、時間(凝結)が経過するとともに大きくなります。

針を刺すのに必要な力の時間的変化を測定する事で凝結の過程を求めるという試験です。凝結の始発と終結の規定値は以下の通り。

  • 始発(凝結の始まり):貫入抵抗値3.5N/mm2
  • 終結(凝結の終わり):貫入抵抗値28.0N/mm2

ここまでで凝結の意味と要因については理解できたと思います。この先は、凝結の管理がなぜ必要なのかを説明します。

打重ね時間はどのくらい?

コンクリートの打設には、打重ねという打込み方があります。柱や壁など垂直方向に長い部材を打込む時に、一気に上まで打込むと側圧や沈下の影響が大きくなるため、層ごとに分けて打込む事を「打重ね」と言います。

似たような言葉に打継ぎというのがありますが「打継ぎ」は、先に打ったコンクリートが硬化してから打ち足す事を言います。打重ねは、コンクリートが硬化する前にコンクリートを打ち足して一体化させる事。

この打重ねの際に重要になるのがコンクリートの凝結時間です。先にキーワードとなる用語の意味を説明します。

  • 振動限界…コンクリートの締固め(振動)が出来る限界の状態
  • コールドジョイント…打重ねたコンクリートが一体化せず、切れ目ができる現象
  • 打重ね時間間隔…先に打ったコンクリートの打ち終わりから、次に打重ねるまでの時間

コンクリートの凝結時間が問題となる理由は、凝結が早すぎるとコールドジョイントが出来てしまうためです。コンクリートを打重ねする時に、初めに打ったコンクリートが振動限界を過ぎている場合、コンクリートが一体化せずにコールドジョイントが起きてしまいます。

そのためには打重ね時間間隔を管理する必要がありますが、打設の度に凝結試験を行うのは実務上困難なため時間の目安が決められています。

JASS5 標準示方書
外気温25℃未満 150分 外気温25℃以下 150分
外気温25℃以上 120分 外気温25℃を超える 120分

外気温で区別している理由は、凝結の要因で説明したように温度によって凝結時間が変動するためです。基本はこの時間を目安に打重ね時間間隔を管理するのですが、より厳密な管理をするための簡易試験方法というものもあります。

突き棒による貫入試験方法

この試験方法は、コンクリートの凝結試験を簡易的に行うもので、JIS A 1147(コンクリートの凝結時間試験方法)の結果と相関があるため凝結試験の代用として行われます。

打設したコンクリートを突き棒もしくは鉄筋(丸鋼・異形棒鋼)で直に突き、その挿入深さで凝結の程度を確認するという方法です。

突き棒に使用するものと突き方でいくつかやり方があるのですが、理論的には同じ考え方をしています。

興味のある方は、ネットでS式貫入試験・N式貫入試験・K式貫入試験・T式貫入試験のどれかを調べてみてください。

コンクリートの凝結をコントロールするには

コンクリートの凝結時間には、温度・スランプ(単位水量)・W/C・化学混和剤が関係しているのは既に説明しました。現実的に凝結をコントロールしようとした場合、この中で選択するものは、スランプ(単位水量)と化学混和剤の種類で管理します。

化学混和剤を使用する事で、単位水量を減らす事が出来ます。さらに一部の化学混和剤には、標準形・遅延形・促進形と凝結時間の異なるタイプのものがあり、遅延形とは凝結を遅らせるもの・促進形とは凝結を早めるものをいいます。

実務では、化学混和剤のタイプを適切に選ぶ事で凝結時間をコントロールしています。

暑中コンクリートとなる時期では遅延型の混和剤、特に単位水量を大きく減らし、スランプ保持性能が良い高性能AE減水剤を使用する事が望ましいとされています。

一方寒中コンクリートでは、スランプ保持性能が逆効果になるため、単位水量の低減効果よりも凝結が遅れる可能性もあります。

寒中コンクリートでは、単位水量を減らす事よりも凝結の促進を期待して促進型の混和剤や、耐寒促進剤の使用・併用が効果的です。

まとめ

今回の記事では、コンクリートの凝結について説明しました。一番覚えて欲しいことは、凝結とは硬化の前段階であり強度は期待できないという事。凝結時間は施工性や硬化後の耐久性に影響を及ぼすため管理すべきですが現実的には難しい、そのため打重ね時間間隔の目安が決められている事。

凝結時間は、主に使用する混和剤の種類とタイプの使い分けによってコントロールするのが一般的です。

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コメント

  1. 澤野心 より:

    原因の欄に、単位水量が小さいと凝結が早くなると書かれていますが、遅くなるのでは無いのでしょうか?そうでないと、凝結の早い暑中コンクリートに遅延形のAE減水材を利用して、単位水量を小さくすることで、更に凝結を遅らせることと矛盾しているように感じたのですが、、

    • jiego より:

      制約がなく同一の条件なら、スランプが大きい(単位水量が多い)ほうが凝結は遅くなります。
      一般に、夏期はコンクリートの単位水量を大きくする必要があります(運搬ロスの増大及び練上がりスランプの低下)。一方、JASS5などの仕様書では単位水量の上限規制があるため、AE減水剤より減水率の大きい高性能AE減水剤を用いること、凝結を遅らせるために遅延形が望ましいといえます。
      これにより、セメント量が増える事による温度上昇を抑制し、またスランプの経時変化も少なくなり、夏期における早すぎる凝結に対して有効となります。

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