コンクリート強度の種類をまとめて解説

強度

あなたは、コンクリートの強度をいくつ言えますか?
コンクリートの強度と聞いて思いつくのは、圧縮強度かと思います。中には、引張や曲げ強度を思いつく人もいるかもしれません。

コンクリート強度には、他にもたくさんの種類があるのは知っていますか?
この記事では、コンクリートの持つ様々な強度について解説していきます。

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コンクリートの強度には、どんな種類があるのか

まず初めに、コンクリート強度の種類を下記にまとめてリストアップしました。

  1. 圧縮強度
  2. 引張強度
  3. 曲げ強度
  4. せん断強度
  5. 支圧強度
  6. 疲労強度
  7. 付着強度

1.圧縮強度~3.曲げ強度くらいまでは、聞いたことがあるかもしれません。これから、コンクリートの各種強度について、解説してきたいと思います。

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圧縮強度

コンクリートを代表する強度。水とセメントの比率によって強度が変わるとされています。
水セメント比以外にも、圧縮強度に影響するものをいくつか解説します。

1.材料による影響

  • セメントの強さが大きいほど強度があがる。
  • 骨材(特に粗骨材)の強度が低いとコンクリートの強度は低下する。
  • 丸みのある骨材より、ゴツゴツとした骨材の方が強度は大きくなる。

2.養生による影響

強度増加の割合は、セメントの種類、温度と水分の影響を受けます。

  • 水分を与える養生を、湿潤養生と呼びますが、湿潤養生をした時間が長いほど強度は増加する。
  • 一定温度で養生した場合、40℃程度までなら高温の方が強度が大きい。
  • 低温で作られたほうが、高温で作られたものより強度が大きい。

3.試験方法による影響

コンクリートの強度を測定するサンプルを供試体と呼びますが、供試体によっても強度は変わります。

  • 供試体の形状が同じなら、寸法が小さくなるほど強度は大きくなる。
  • 供試体の形状が、直径に対する高さの比率が小さくなるほど、強度は大きくなる。
  • 供試体が乾燥するほど、強度は大きくなる。
  • 強度試験時の加圧速度が速いほど、強度は大きくなる。

コンクリートの強度試験については、下記の記事で詳しく解説しています。

引張強度

  • 引張強度の大きさは、圧縮強度の1/9~1/13程度。圧縮強度が増加しても引張強度はあまり大きくならない。
  • 丸みのある骨材より、ゴツゴツとした骨材の方が強度は大きくなる。

引張強度の計算方法は、

ft = 2p / π×d×l
ft:引張強度
p :最大荷重
d :直径
l :高さ

曲げ強度

舗装コンクリートの基準となる強度。一般的に圧縮強度を構造設計に用いるが、舗装コンクリートでは、曲げ強度を用います。

  • 曲げ強度の大きさは、圧縮強度の1/5~1/7程度。圧縮強度が増加しても曲げ強度はあまり大きくならない。
  • 骨材の強度が小さいと、圧縮強度が大きくても、曲げ強度は小さくなる。
  • 丸みのある骨材より、ゴツゴツとした骨材の方が強度は大きくなる。

曲げ強度の計算方法は、

fb=p×l / b×h2

fb:曲げ強度
p :最大荷重
l :スパン
b :断面幅
h :断面高さ

その他の強度(せん断・支圧・疲労・付着)

せん断強度

断面に対して平行で互いに反対向きの力を作用させると、すべりが生じて断面がズレる事を「せん断」といいます。それに抵抗する強度を、せん断強度と言います。

せん断強度は、圧縮強度の1/4~1/7程度で、引張強度の2.5倍程度である。

支圧強度

支圧強度とは、ある断面の一部に局部的に力を受ける場合の強度を言います。

一般に、断面全体で力を受ける圧縮強度よりも強度が大きい。

疲労強度

疲労とは、「最大荷重より小さい荷重でも繰り返し作用することで破壊される事」を言います。

繰り返し回数に耐える限界を疲労限度などと言いますが、コンクリートの場合、繰り返し1000万回の範囲では、疲労限度は確認されていません。

一般にコンクリートの疲労強度は、200万回繰り返した時点で圧縮強度の55~65%程度であると言われています。

付着強度

鉄筋とコンクリートのくっつき具合を示すのが付着強度です。

これには、鉄筋の形状や鉄筋の埋め込み方、コンクリートの圧縮強度などが関係しています。

  • 鉄筋の形状は、丸鋼と呼ばれる丸みを帯びた表面よりも、異形棒鋼と呼ばれるデコボコした表面の鉄筋の方が付着強度は大きい。丸鋼で圧縮強度の1/8~1/10程度、異形棒鋼で1/4~1/6程度です。
  • 鉄筋を水平方向に埋めると、垂直方向に埋めた場合よりも30〜40%、付着強度が小さくなる。
  • コンクリートの圧縮強度が大きくなると、付着強度も大きくなる。

まとめ

コンクリートの強度について、

圧縮強度は水セメント比によって左右されるが、それ以外にも強度に影響を及ぼすものがある。
引張強度は、圧縮強度に比べて小さく、引張応力に耐える働きは小さい。
曲げ強度は、舗装コンクリートにおいて重要な強度であり、引張強度よりも大きい。

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