コンクリートの塩化物含有量試験、基準-測定方法-計算など

試験

コンクリートの品質には、強度、スランプ、空気量、そして塩化物含有量の規定があります。強度やスランプと違い、塩化物含有量はあまり注目されることはありませんが、コンクリートの耐久性を確保する上で重要な規定です。

本記事では、意外と知られていない塩化物含有量の試験について解説していきます。

塩化物含有量の基準値

JIS A 5308では、コンクリートの塩化物含有量は、塩化物イオン(Cl⁻)量として、0.30kg/m3以下(購入者の承認を受けた場合0.60kg/m3以下)とされています。建築学会や土木学会においても、原則 0.30kg/m3 とされています(特別な処置をした場合 0.60kg/m3以下 )。

塩化物含有量の試験方法

コンクリート中の塩化物含有量の試験は、JIS A 1144「フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法」もしくは、精度が確認された塩化物含有量測定器具で行います。

JIS A 1144には、4種類の方法がありますので、サラッとご紹介します。

  • JIS K 0101の 32.1[チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法]
  • JIS K 0101の 32.3(硝酸銀滴定法)
  • JIS K 0113の 5.(電位差滴定方法)に準じた塩化物イオン電極を用いた電位差滴定方法
  • JIS K 0127 イオンクロマトグラフィー通則
  • チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法
    光電光度計もしくは光電分光度計で測定する方法で、感度がとても高い
  • 硝酸銀滴定法
    フルオレセインナトリウム(ウラニン)溶液を指示薬とし、比較的簡単な方法
  • 電位差滴定方法
    硝酸銀滴定法と同様の手順であるが、終点を電位の変化で求めるので、終点の確認が簡単
  • イオンクロマトグラフィー通則
    イオンクロマトグラフによって分析する方法

この4種類は精度の高い試験方法ですが、工事現場や生コン工場で試験・管理する場合には、ほぼ行われていません。実務で使われているのは、精度が確認された塩化物含有量測定器具による方法で試験を行っています。

精度が確認された塩化物含有量測定器具とは

(財) 国土開発技術研究センターから技術評価を受けた測定器具を、精度が確認された器具として測定に使って良いとされています。

測定器の原理と測定器具にはいくつか種類があるので、原理と測定器について紹介します。

塩化物含有量測定器の種類
  • 「カンタブ(標準品)」モール法
    重クロム酸銀と塩化物イオンとを反応させて白色の酸化銀を生成させる
  • 「ソルコン」イオン電極法
    水溶液中の塩化物イオンと塩化物イオン選択性電極を用いて検出する
  • 「ソルター」電極電流法
    塩化物イオンと銀電極が反応するときの酸化還元電流を測定する
  • 「ソルメイト」電量滴定法
    電解用銀電極と塩素イオンが反応するときの電気量から測定する

いずれの器具も、第三者試験機関で、年に1度以上校正を行う事で測定器具として用いてよいとされています。

塩化物含有量の計算

JISで定められた試験方法では、コンクリートの塩化物含有量を測定することは出来ません。試験から得られる結果は、塩化物含有量ではなく塩化物イオン濃度だからです。

コンクリートの塩化物含有量の求め方は、
試験で得られた塩化物イオン濃度(%) × 配合計画書に記載されている単位水量(kg/m3)
で求めます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました