コンクリートの種類は、用途に応じてたくさんの種類があります。中でも高炉(BB)とか普通(N)というのは使用頻度の高いコンクリートです。
しかし、たくさんある種類からなぜ高炉(BB)や普通(N)を使用しなければならないのか…その理由を理解している人はコンクリートを作る人や使う人の中でも、それほど多くない印象です。
一言で言えば、高炉(BB)は土木・普通(N)は建築で使われるもの。ではなぜ、どういった理由で土木と建築で使用されるコンクリートが違うのでしょうか?コンクリートの性質もたしかにありますが、それ以上に大きな理由が存在しています。
この記事では、コンクリートの高炉(BB)と普通(N)の使い分けについて、本では学べない実情を説明します。
BBとN 記号の意味とは
高炉(BB)と普通(N)について説明する前に、まずは記号の意味からお話しします。
- BB:高炉セメントB種というセメントを表す記号
- N:普通ポルトランドセメントを表す記号
コンクリートには「呼び方」という製品を表すための記号があります。例えば、軽量27-18-15Nや普通21-8-20BBといった書き方をします。
タイヤのサイズを175/65R14 82Sなんて表すのと同じです。
例として、普通21-8-20BBの意味を説明すると、普通=普通コンクリート、21=呼び強度、8=スランプ、20=粗骨材の最大寸法、BB=セメントの種類となります。
呼び方を見れば、そのコンクリートの性能や特徴がだいたい分かるようになっています。
高炉(BB)と普通(N)の違い
コンクリートにはたくさんの種類があり、その用途や条件によって使い分けることによって、性能を発揮します。コンクリートの性質をもっとも支配しているのがセメントです。
高炉(BB)と普通(N)のセメントの性質の違いについて説明します。
・高炉セメントとは、普通セメントに高炉スラグという副産物を混ぜたもの。混ぜる量の違いで、A種・B種・C種の三種類があります。BBとは、高炉セメントの内のB種という事。
高炉セメントには、化学抵抗性が大きい、初期強度が小さい、水和熱が低い、中性化に劣るといった特徴があります。
・普通セメントとは色々なセメントの中で、基本となるセメントです。幅広く使えるため、強度や、水和熱、アルアリ性、化学抵抗性も平均的と考えてください。
BBとN以外のセメントについては、こちらの記事で紹介しています。
高炉(BB)と普通(N)の使い分けとは
では、冒頭で「高炉は土木、普通は建築」と言いましたが、その理由について説明していきます。主な理由は二つあります。
法律による違い
はじめに二つの法律についての紹介と概要を説明します。
土木工事は、国や地方自治体が発注主となるため、グリーン購入法にもとづいて資材を調達しなければなりません。高炉セメントは、高炉スラグという副産物を使用したものであるため普通セメントより優先して使用しなければならないという背景があります。
建築工事は、品確法に適合した住宅でなければ現在の市場では商売になりません。例を言えば住宅ローンのフラット35などは、住宅性能評価があること、つまり品確法に適合していることで審査が有利になるなど。
品確法にはコンクリートの中性化についての基準があり、高炉セメントを使用した場合、厳しい基準値が採用されてしまうという背景があります。
土木と建築の構造の違い
土木構造物
ダムや橋などの大き断面で様々な環境条件に耐えうる必要があります。大きな断面を作る上で問題となるのは、セメントの水和熱です。さらに様々な環境条件に耐えるためには、化学抵抗性も重要となります。
一方で、かぶり厚さに関しては余裕があるため、中性化についてそこまで考慮せずとも良いと言えます。
建築構造物
薄い部材で構成され、比較的穏やかな環境条件に建てられます。そのため水和熱や化学抵抗性よりも、中性化が重要となります。
使い分ける理由
- 土木…高炉を優先しなければならない。
- 建築…高炉を使用すると基準値が厳しくされてしまう。
- 土木…水和熱や化学抵抗性が重要となりやすい
- 建築…中性化について重要となりやすい
まとめ
今回の記事では、コンクリートに使用するセメント「高炉」と「普通」の使い分けについて説明しました。土木ではグリーン購入法が、建築では品確法がセメントの種類を選択する上で関係しています。
とはいえ、必ずしも土木工事では高炉、建築工事では普通しか使えないというわけではありません。
工事の実情に応じて適切なセメントを使用するのが前提です。どちらでも選べるという場合は、優先して高炉セメントを使いなさい、普通セメントを使った方が有利ですよ、という事です。
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