コンクリートの配合設計って何?考え方とポイントを解説

配合

配合設計とは、コンクリートを製造する上で、各材料の使用割合を決める事を言いますが、単に、各材料の量を計算することに留まらず、コンクリートの用途や求められる性能を加味して、コンクリートの品質を決定する事を本質としています。

まず、原則としてコンクリートの配合とは、

コンクリートの配合は、要求される性能を満足する範囲内で、単位水量をできるだけ少なくするように定めなければならない。

土木学会:コンクリート標準示方書より引用

コンクリートの計画調合は、所要のワーカビリティ、強度、ヤング係数および耐久性が得られ、かつその他の規定が満足されるように定める。

日本建築学会 :建築工事標準仕様書・同解説 JASS5 鉄筋コンクリート工事 より引用

とされています。

つまり、コンクリートの配合設計は、必要な強度・耐久性を有し施工性を考慮した設計をするように、という事です。

ちなみに、土木分野では、各材料の使用割合を配合と言い、建築分野では調合と言います。
言い方は違いますが、同じものを指しているので覚えましょう。

本記事では、この原則に従って、どのように配合を設計していくのか、その考え方とポイントについて解説していきます。

1.用語

用語
  • 配(調)合・・・コンクリート1㎥あたりの、各材料の質量
  • 混和剤・・・混和材料の中で使用量が少なく、容積に算入されないもの
  • 混和材・・・混和材料の中で使用量が比較的多く、容積に算入されるもの
  • 構造種別・・・使用する材料の分類により、区分されるもの(木造・鉄骨造・RC造など)
  • 設計クライテリア・・・構造設計における基準値

2.配合設計において求められる性能とは

配合設計は「必要な強度・耐久性を有し施工性を考慮した設計をする事」と書きましたが、具体的にどのような項目について検討する必要があるのかについて、解説します。

1.物理的性能

もっとも大事な強度・耐久性に関する性能の一覧です。

物理的性能
  • 強度・・・主に圧縮強度の事。舗装コンクリートの場合は曲げ強度
  • ヤング係数・・・変形やたわみなど、部材の剛性を決定する値
  • 乾燥収縮率・・・乾燥に由来する収縮の割合
  • アルカリシリカ反応・・・アルカリシリカ反応によるひび割れの有無
  • 中性化速度係数・・・中性化の進行速度を決める値
  • 凍結融解に対する抵抗性・・・凍結と融解の繰り返し作用に対する耐力
  • 塩化物イオン拡散係数・・・塩化物イオンの拡散速度を決める値
  • 耐火性・・・一定時間の火熱を受けた場合の、遮炎性・遮熱性・非損傷性
  • 化学的浸食に対する抵抗性・・・酸や化学物質に対する耐力

上記は、構造物に必要となる本質的な性能を表しています。

2.施工性能

施工に関する性能がこちら。

施工性能
  • ワーカビリティー・・・運搬・打込み・締固め・仕上げなどの作業性
  • コンシステンシー・・・変形や流動性に対する抵抗性
  • プラスティシティー・・・材料分離に対する抵抗性
  • ポンパビリティー・・・ポンプ圧送性
  • フィニッシャビリティー・・・仕上げ作業に対する作業性
  • ブリーディング・・・打込み後、コンクリート内部の水が表面に浮き上がる現象

これらは、構造物の種類や施工条件によって必要となる性能です。

3.材料性能

物理的性能・施工性能が定まると、コンクリートに必要な性能が定まります。そこから、各材料毎に必要な性能を選択していき、使用材料を決定してきます。

材料性能
  • セメント・・・水和熱、中性化速度係数、化学的浸食に対する抵抗性
  • 骨材・・・乾燥収縮率、アルカリシリカ反応単位容積質量
  • 混和剤・・・乾燥収縮率、ワーカビリティー、凍結融解に対する抵抗性
  • 混和材・・・乾燥収縮率、アルカリシリカ反応化学的浸食に対する抵抗性
  • 水・・・コンクリートの品質に悪影響を及ぼさないものを使用する

各材料の特性のうち、主な機能をまとめました。

配合設計の考え方とポイント

構造物の用途や立地などを踏まえて、構造種別や架構形式といった設計クライテリアを決めていきます。
そこから導き出された条件により、コンクリート材料の指定や、配合条件の指定、施工性能などの要求事項を満たす配合設計を行います。

一般的に、耐久性の観点からみると、コンクリートの配合は単位水量が少ないほど良いとされますが、単位水量が少ないという事は、施工性能の観点から言えば不利になることがほとんどです。
セメントが多いほど強度は高くなりますが、多すぎるセメントはひび割れの原因にもなります。

物理的性能を追求しすぎても、施工性能が劣れば、構造物としての耐久性は確保出来ません。これさえすれば良いというものはなく、様々な観点から考えるのがポイントとなります。

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