コンクリートの混和剤とは?種類・使用方法・メカニズムについて解説

材料

コンクリートの材料は、セメント・骨材・水・混和材料ですが、混和材料には数多くの種類があります。

混和材料には、「混和剤」と「混和材」の二種類がありますが、ネットの記事でも間違いが多く、この二つの違いを説明できる人は意外と少ない印象です。

この記事では、知ってはいても分かりずらい「混和剤」について説明します。

「混和剤」と「混和材」の違いとは

混和剤を、正式にはコンクリート用化学混和剤と言います。用語の規定では、

用語
  • 混和剤…使用量が少なく、コンクリートの容積計算の際に考慮しないもの。
  • 混和材…使用量が比較的多く、コンクリートの容積計算の際に考慮するもの。

とされています。

この説明だけではなかなか判断出来ないと思いますので、簡単な覚え方がひとつ。
100%ではありませんが、一般的な混和剤は液体、混和材は紛体と覚えておいても大丈夫です。

混和剤の機能・用途とは

まずは、混和剤の主な機能を並べてみます。

  • 空気連行機能
  • 減水機能
  • スランプ保持・スランプ増大機能
  • 水和促進機能
  • 水和抑制機能
  • 増粘機能
  • 収縮低減機能
  • 防錆(さび)機能
  • 防水機能
  • 発泡・起泡機能

このように、混和剤には数多くの機能があります。コンクリートの用途に応じて、必要な機能を選択する形で使用するのが混和剤です。

混和剤の種類

次に、混和剤の種類について、先に書いた機能と一緒に説明します。

AE剤(空気連行機能)

耐凍害性を向上させるため、コンクリートに空気を混入する混和剤。
耐凍害性とは、コンクリートが凍った時に、ひび割れが入らないようにする性能です。

AE剤を使わないコンクリートでも2%程度は空気が混入しますが、自然と混入されてしまう気泡とAE剤による気泡には、違いがあります。

  • エントラップトエア(自然に入る空気)・・・いびつな形で粒の大きい気泡
  • エントレイントエア(AE剤による空気)・・・球状をした細かい気泡

耐凍害性を向上させるのは細かく独立した気泡なため、AE剤を使用することでコンクリートの耐凍害性が向上します。

また、細かな気泡のボールベアリング作用で、コンクリートのワーカビリティを改善するため、単位水量を減らすことが出来ます。

減水剤・高性能減水剤(減水機能)

流動性を向上させるために使われる混和剤。
流動性が増すため、結果として単位水量を減らす事が出来る(減水する)。

セメントを水と混ぜた時、一見すると分散しているようでも一部はセメント同士が凝集(団子状)しています。
減水剤は、界面活性作用により、セメント同士の凝集をほぐし分散させます。この分散によりセメントペーストの流動性を向上させます。

より減水性能が強いものが、高性能減水剤です。現在では減水剤単体で使われる事は少ないですが、100N/mm2を超えるような超高強度コンクリートでは、高性能減水剤が使用されています。

AE減水剤(空気連行+減水機能)

AE剤+減水剤の機能を持つ混和剤です。

もっとも使用されている混和剤で、現在では「減水効果を高めた高機能タイプ」や「乾燥収縮を減らす収縮低減タイプ」など、様々な機能を持つ商品が開発されています。

高性能AE減水剤(空気連行+減水+スランプ保持機能)

AE減水剤よりも更に減水性能が高く、スランプ保持(経時変化が小さい)機能を持つ混和剤です。SPCコンクリートなどと表記される事もあります。SPCはsuper Plastilizer concreteの略。AE減水剤には規定がない[スランプの経時変化の差]が規定されています。

AE減水剤と同様に、「収縮低減タイプ」や「分離抵抗性を高めた増粘剤一液タイプ」など、様々な機能を持つ商品が開発されています。

流動化剤(スランプ増大機能)

あらかじめ練混ぜられたコンクリートに後から添加する事で、スランプを増大(流動性を高める)させる混和剤です。

硬化促進剤(水和促進機能)

水和を促進する事で、初期強度の発現を早める混和剤です。
防凍剤・耐寒促進剤などと呼ばれるもので、初期凍害を防ぐ目的で使われます。

遅延剤・超遅延剤(水和抑制機能)

セメントの凝結時間や初期水和反応を遅延(遅らせる)させるために使用する混和剤です。
遅延剤のメカニズムは主に、セメント粒子表面に吸着し、セメントと水の接触を妨げることです。

その使用方法は、
遅延剤は、AE減水剤・高性能AE減水剤の遅延形として、コールドジョイントの防止のために使用されます。

超遅延剤は、構真柱の建込み、サイロや水槽など水密性・気密性が必要な構造物での打継部、マスコンのひび割れ低減などの目的で使用されます。
また、打込む全てのコンクリートに使用するのではなく、打継処理なら打継ぎとなる部位、構真柱なら鉄骨を建込む高さまでのコンクリートに使用します。

水中不分離性混和剤・増粘剤(増粘機能)

コンクリートの粘性を増大することで、材料分離を減らすために使用する混和剤。

  • 水中不分離性混和剤…水中でもコンクリートが溶け出さないために使用する
  • 増粘剤…高流動コンクリートでの分離抵抗性を高めるために使用する

コンクリートの流動性を高めると、モルタルと粗骨材の一体性が損なわれやすくなる。

高強度コンクリートの場合、セメント量が多く元々の粘性が強いため材料分離を起こしづらいのですが、セメント量を必要としない高流動コンクリートの場合などでは、スランプフローの増大にともなって材料分離を起こしてしまいます

そこで、増粘剤を使用する事で適度な粘性を持たせ流動性の高いコンクリートを作るために、増粘剤が使われます。

収縮低減剤(収縮低減機能)

コンクリートの乾燥収縮を減らすために使用する混和剤。

硬化した後のコンクリートが乾燥によって収縮する事を乾燥収縮と言います。
その主なメカニズムは、毛細管現象によるもの。収縮低減剤はその表面張力を小さくするため、収縮を抑えることが出来ます。

鉄筋コンクリート用防せい剤(防錆(さび)機能)

コンクリートの使用材料自体の塩分が多い場合に、鉄筋をサビから守るために使用する混和剤。
地域によっては使用材料を選べず、コンクリートの塩化物含有量が高くなる場合には、鉄筋を保護するために使用する。

防水剤(防水機能)

コンクリートの水密性を高めるために使用される混和剤。

防水剤には、セメントの水和反応を早めることで初期の防水性を高めるものや、コンクリートのアルカリ性に反応して不溶性物質を作ることで、内部の空隙を埋め防水性が高まるもの、などがあります。

発泡剤・起泡剤(発泡・起泡機能)

モルタル及びコンクリートに多量の気泡を入れるための混和剤。
気泡を多量に入れることで、断熱性や防音性が増す事、また軽量化や注入用としても使われる。

まとめ

今回は、コンクリートの混和材料のうち「混和剤」について説明しました。

コンクリートに期待される性能に対する要求の高まりとともに、混和剤の機能も様々なものが開発されてきましたが、基本となるのは、AE減水剤・高性能AE減水剤です。

まずは、この二つの性能や違いをしっかりと理解しましょう。

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