コンクリートの打継ぎは位置・処理方法・止水処理

施工

打継ぎ目とは、コンクリートをいくつかのブロックに分けて施工する時の、つなぎ目の事を言います。打継目には、水平打継目鉛直打継目の二種類があり、それぞれに施工のポイントがあります。

この記事では、打継ぎの方法・打継目の処理方法・止水の仕方・止水板の種類など、打継ぎについて説明します。

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水平打継ぎと鉛直打継ぎの位置

打継目はせん断力の小さい位置に定め、部材に作用する圧縮力に直角とすることが基本です。具体的な位置については、

  • 梁・スラブの鉛直打継ぎは、スパンの中央または端から1/4付近
  • 柱・壁の水平打継ぎは、スラブ・梁の下端またはスラブ・梁・基礎梁の上端
  • 片持ちスラブなどのはね出し部は、打継目を設けない

打継面が圧縮力と直角でない場合、圧縮力によって打継面でズレが生じる場合があるため、差し筋による補強・凹凸によるキー(コッター)による方法などの対策を行います。

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打継目の処理方法

打継目コンクリートの表面には、レイタンス脆弱なモルタル層がある場合があります。そのため、表面を処理せず打継ぐと、強度(特に引張強度)と耐久性(防水性・透気性)が悪くなります。そのため生コンを打ち継ぐ前には、表面を削り取る作業が重要となります。

水平打継目の処理

  • ワイヤーブラシ…金属製のブラシで表面を削る
  • サンドブラスト…砂を圧縮空気で吹きつけ削る
  • グリーンカット…圧縮空気で水を吹き付け削る

水平打継目の場合、レイタンスやブリーディング水によって表層部分の品質が悪くなりやすいため、上記の方法で表面処理を行います。

打継ぎ面は十分に表面を湿らせ、モルタルを敷く・打継ぎ用のプライマーを塗布するなどの方法を行うと付着が良くなります。

逆打ち(さかうち)コンクリートの場合は打継面が下面になるため、後から打ちこんだコンクリートのブリーディング・沈下によって打継面のコンクリートは下がるため一体化しない事が普通です。そのため、グラウト・モルタルなどを後施工で充てん・注入する方法が一般的です。

鉛直打継目の処理

  • ワイヤーブラシ…金属製のブラシで表面を削る
  • チッピング…電動ピック・タガネではつる。目荒しとも言う。

鉛直打継目の場合、水平打継目であったレイタンスなどの表層部分の品質に関しては問題となりません。しかし、コンクリートの収縮の影響を受けるため、水平打継目よりも一体化しづらい打継ぎとなります。

水平打継ぎと同様に、打継ぎ面は十分に表面を湿らせ、モルタルを敷く・打継ぎ用のプライマーを塗布するなどの方法を行うと付着が良くなります。

また、打継面をあらかじめ粗くする(目荒しする)ため、打継面のせき板をラス網(金網)で組む事も一般的な処理方法です。

打継目の止水処理

打継面は完全には一体とはならず、漏水の原因となりやすい部位です。そのため、「止水」と呼ばれる処理を行ないます。

止水処理の方法には「勾配・伸縮目地・止水板」があります。

  • 勾配とは、外壁側に向かって下り勾配とすることで、水の浸入を抑える方法。
  • 伸縮目地とは、打継目に発泡性の目地板・シール材・充てん材を使用する方法。
  • 止水板とは、打継面に差し込むことによって打継目を遮断する方法。

止水板の種類には、「水やコンクリートの成分によって膨張するタイプ」・「成形済みのタイプ」の二種類があります。

止水板は、銅・ステンレス板、塩化ビニル樹脂、ゴムなどから作られており、打継面の条件に適したものを使います。

まとめ

今回の記事では、コンクリートの打継ぎについて説明しました。

  • 打継ぎの位置は、構造物の安全性に関わるため適切な場所に設ける事。
  • 打継面の処理は、表面処理や止水処理を行い、強度・防水性を低下させないように配慮する必要があります。
  • 打ち継ぎ処理の方法は打設計画を考える上で、事前に検討する必要があります。

打設計画について詳しい説明は以下の記事をご覧ください。

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