コンクリートの骨材は砂と砂利で構成し、強度・耐久性・施工性に直結する。JIS A 5308等で粒度・有害物・安定性などが規定され、各地域ごとの環境特性に応じた選定と水分管理が不可欠。
このページでは、コンクリートの大部分を占める骨材について、説明します。
結論(まず知るべき要点)
骨材は、コンクリート体積の60〜70%を占める重要材料であり、単なる「充填材」ではなく、強度・耐久性・外観・施工性・圧送性を同時に左右する構造要素である。
不適切な粒度分布や管理は、「色むら」「分離」「圧送閉塞」といった目に見える失敗として現場に現れる。
要点まとめ(3分で理解)
- 骨材=砂・砂利などの粒状材料
- 分類:粒径(粗・細)、製法(天然・砕石・再生)、密度(普通・軽量・重量)
- 主な役割:
- 体積確保(コスト・収縮抑制)
- 強度・耐摩耗性の付与
- 施工性(ワーカビリティ)の制御
- 骨材の品質は JIS A 5308 / A 5005 / A 5006 などで厳格に規定
- 地域条件(塩害・凍結・高温)により選定基準は変わる
骨材の定義と役割
骨材とは、コンクリート中に分散する粒状材料であり、主に砂(細骨材)・砂利や砕石(粗骨材)を指す。
セメントペースト単体では、
- 乾燥収縮が大きい
- 温度変化に弱い
- コストが高い
そのため、骨材を組み合わせることで以下の利点がある。
- 流動性の制御、施工のを安定化
- 体積の確保、収縮・変形の抑制
- 荷重をの分担、強度の確保
骨材の分類
①粒径による分類
骨材は粒の大きさを基準として、粒の大きなものを粗骨材(粗い)・小さなものを細骨材(細かい)として区別して使用します。
| 区分 | 基準 |
|---|---|
| 細骨材 | 10㎜ふるいを全量通り、5㎜ふるいを質量で85%以上通過する |
| 粗骨材 | 5㎜ふるいに質量で85%以上とどまる |
ひとまず、5mmを超える粒を粗骨材、5mm以下の粒を細骨材と区別していると理解してください。
② 分類製造方法による分類
| 区分 | 製法 | 代表的な品種 |
|---|---|---|
| 天然骨材 | 自然から採掘したもの | 山砂・陸砂・海砂・川砂利山砂利・陸砂利 |
| 人工骨材 | 天然を加工、人工的に製造、産業副産物の利用 | 砕石・砕砂・人工軽量骨材・スラグ骨材 |
| 再生骨材 | コンクリート塊を再利用 | 再生骨材H・再生骨材M・再生骨材L |
③重さ(密度)による分類
| 区分 | 密度 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 普通骨材 | 2.5~2.8 g/㎤程度の範囲 | 一般的な構造物・汎用的 |
| 軽量骨材 | 細骨材で2.3g/㎤未満、粗骨材で2.0g/㎤未満 | 軽量コンクリート向け |
| 重量骨材材 | 密度で3.0 g/㎤を超えるもの | 遮蔽用コンクリートや重力式擁壁 |
④骨材の岩種(石質)
近年は天然骨材が採取しずらくなっており、人工骨材である砕石・砕砂の使用が多くなっています。砕石・砕砂とは、岩石を砕いて粗骨材・細骨材の粒度に適合するように作られたものです。岩石にも種類によって特徴があります。
| 火成岩 | 安山岩 | 花崗岩 | 玄武岩 |
| 密度が大きく、強度の強いものが多い | |||
| 堆積岩 | 石灰岩 | (硬質)砂岩 | |
| 石灰岩は強度は低いが、乾燥収縮を抑える働きがある | |||
| 変成岩 | 大理石 | ||
| コンクリート用としては不向き | |||
骨材の詳細物性や密度・吸水率の基準値についてはこちらの記事も参照してください。
骨材の働きについて
- 増量材として
- セメントの水和反応による収縮を骨材が抑制。ひび割れを防ぎ硬化することができる。
- 荷重を受ける
- コンクリートの強度は、ペーストの強度と骨材の強度の弱い方の強度になります。
- 耐久力として
- 強度以外の強さも重要で、温度変化や摩耗・化学作用・熱などに強い必要があります。
- ワーカビリティ
- セメントペーストは分離しやすい、骨材を入れることで分離を抑え全体を均一にする。
細骨材率(s/a)がワーカビリティに及ぼす影響は、以下の記事にて詳細を解説しています。
地域特性別リスク
※地域特性/環境影響を考慮した骨材選定・施工ポイント
● 日本全国(沿岸地域)
海砂利用時の 塩化物量規制 → 塩害による鉄筋腐食リスクを抑制
● 寒冷地域(北海道〜東北)
凍結融解に強い 安定性試験(JIS)規定値 の確認が必須
● 都市部(交通振動・耐摩耗性重視)
骨材選定ミスによる、強度不足→高強度域は骨材岩種の選定が重要
現場で起きた骨材起因トラブル事例

事例1:層状の色むら(打重ね境界の可視化)
現象:打設後、表面に横しま状の色むらが発生。
原因:粒度分布が不均一、細骨材率が低く、モルタルが層状に偏在
本質:骨材の粒度曲線が適正でないと、ペーストが偏り、外観不良として“可視化”される。
事例2:長距離での閉塞
現象:長距離圧送中、配管内で閉塞。
原因:粗骨材が粗すぎる、吸水率が大きく圧力吸水をおこした。
教訓:長距離圧送を考慮した材料選定・配合設計をすべきだった。
骨材の水分状態(表面水・含水率)は施工の良否に直結します。こちらの記事を基準に管理してください。

実務チェックリスト
- 地域環境(塩害・凍害)のリスク評価
- 保管場所の排水・泥土混入防止対策
- JIS A 5308・A 5005など適用規格の該当項目チェック
- 試験圧送(実配管条件)
- 微粒分・細骨材率の検討
FAQ
- Q細骨材と粗骨材の違いは?
- A
粒径で区別し、5mm以下が細骨材、5mmを超えるのが粗骨材
- QJISではどんな項目が規定されていますか?
- A
粒度・密度・吸水率・粘土塊量・微粒分量・有機物・塩化物量・安定性など。
- Q骨材が悪いと何が起きますか?
- A
強度低下、外観不良、圧送閉塞、耐久性低下などが起こります。



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