冬って、家を建てても大丈夫なの?
雪の中で濡れても、品質は大丈夫なのかなぁ
真夏に基礎をはじめるとコンクリートの強度が出ない!?
夏場はコンクリートが早く固まりすぎてよくないって聞いたけど…
家を新築することは、一生に一度あるかないかの大イベントです。出来る事なら、いや必ず良い家を建ててほしいと思いますよね?!
でも、自分には建築の事なんか分からない…ネットで検索すると不安な事ばかり目についてしまう。
慌てて工事を着工したけれど、真冬に基礎工事しても大丈夫?真夏はコンクリートに良くないってホント?と不安になっているあなたに。
今回の記事では、真夏や真冬に使うコンクリートについて説明します。
ちなみに、真夏のコンクリートを暑中コンクリート工事、真冬のコンクリートを寒中コンクリート工事とそれぞれ言います。
真夏・真冬のコンクリート強度を知りたい
結論から伝えますと、真夏・真冬の工事では、春や秋に比べて高い強度のコンクリートを使って工事を行います。
その理由は、「温度が高い真夏」「温度が低い真冬」は、建物の強度が出にくいからです。
だからといって、建物の強度が出ない・足りないといった事はありません。
建物の強度=設計した強度になるよう、暑中・寒中は高い強度のコンクリートを使います。
ただし強度が高いコンクリートを使えば、それだけコンクリートの値段も高くなってしまうことはあるかもしれませんので、一度業者さんに確認しましよう。
真夏・真冬っていつ?
気象庁の統計データを元にして、地域ごとに日付が決まっているもので、今日の気温が高いから真夏とか、低いから真冬というものではなく、あらかじめ予想して決めます。
ちなみに、日平均気温の平年値が25℃以上を真夏、旬の日平均気温が4℃以下を真冬としています。
最高気温とか最低気温ではなく、その日の平均気温が25℃以上の時期は真夏、4℃以下の時は真冬なのだなと思ってもらっても良いかと思います。
ちなみに、暑中コンクリート工事は北海道を除く全地方で日付の設定があり、寒中コンクリート工事は沖縄と四国を除いた各地方で日付の設定があります。
暑中・寒中コンクリートの注意点
注意点を説明する前にコンクリートの性質について簡単に説明します。
コンクリートの強度は、化学反応により固まり強度が高くなっていきます。化学反応ですので、温度によって活発になったりゆるやかになったりします。この特徴がみなさんを不安にさせる原因なのです。
真夏は早く固まりすぎるとは?
コンクリートは、工場で作られてミキサー車で工事現場まで配達されます。その時点のコンクリートを生コンと呼びますが、生コンと書くだけあって生モノなのです。
しかも相当足の早い生モノで、作ってから2時間以内に型枠に流し込まなければなりません。鮮度の落ちる理由は温度にあります。
温度が高いほど化学反応が活発になるため、真夏の時期は90分以内に型枠に流し込まなければなりません。時間を過ぎたものは型枠内でうまく広がらない事があるため、空洞をつくりやすく欠陥住宅の原因となります。
さらに、真夏には気温や日射の影響で、コンクリート表面の乾燥が早すぎると、ひび割れを起こす危険性があるため、表面の乾燥にも注意しなければなりません。
コンクリートって凍るの?
コンクリートは、化学反応によって固まると説明しましたが、化学反応を起こす時に熱を発生させます。ですので、コンクリート自体はそこまで凍りやすい材料ではありません。
しかし、気温の下がる真冬においては化学反応がゆるやかになり、発熱より温度の低下が勝ると凍ってしまうこともあります。特に風の強い時などは、コンクリート表面が急激に冷やされてしまうため、注意が必要です。
寒中コンクリートでは、断熱や加熱をして温度が下がらない工夫が必要になりますが、コンクリート表面を直接温め過ぎると、乾燥が早すぎてひび割れを起こす原因にもなることもあります。
コンクリートの強度が5N/mm2以上になるまでは、凍ってしまわないように保護する必要があります。
基礎工事の後に、雪や雨で濡れてるけど大丈夫?
コンクリートとは一般に28日間かけて、ジワジワと固まって行きます。特に初めの5日間が大切で、5日間はコンクリートのお世話をする必要があります。
コンクリートのお世話の事を専門用語では養生といい、コンクリートが無事に育つように水やりをする事をいいます。
ですので、雨や雪によって表面が濡れることは、コンクリートの成長を促すため不安に思わなくても大丈夫です。
コンクリートは乾燥して固まるわけではなく、むしろ水分を必要とするもの。
まとめ
今回は真夏・真冬のコンクリート工事について説明しました。
真夏・真冬に工事をしたからといって強度が出ないということではありません。真夏・真冬はコンクリートに気を使う事が増えるので、工事の手間はかかります。
コンクリート自体は普段より強度の高い生コンを使っている訳なので、手間をかければ立派に固まります。
肝心なのは、正しく手間をかけて工事をしているかどうか…。不慣れな業者や知識・経験の浅い担当者かを見極めるのが大事かもしれません。
最後に、真夏や真冬は手間をかけてなおかつ慎重に作業をしなければならないため、より良い仕上がりになるやもしれませんよ。
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