失敗しない!コンクリートの作り方とは?材料の割合と練り混ぜ方

コンクリート講座

コンクリートの作り方は、砂利:砂:セメントを6:3:1の割合、強度を上げたいときは、砂利:砂:セメントを4:2:1 ですよ!

割合って、一体の何の割合だろう・・・重さ?量?

水を入れないとコンクリートにならないけど、肝心の水はどのくら入れたら良いの?

ネットで「コンクリート 作り方」と検索すると、よく出てくるのが、材料の割合に関する記事。

砂利:砂:セメントを6:3:1の割合で、強度を上げるときはそれが4:2:1 になると書いてあります。

はたしてこれで、あなたはコンクリートが作れますか?私には無理です。割合とは、量の事なのか重さのことなのか・・・?

それになにより、一番大事な水の量がまるで書かれていません。

この記事では、 初めての方でもコンクリートが作れるよう、必要な材料、作り方などを説明していきます。

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コンクリートの材料

コンクリートの材料はとても少なく、セメントと砂と砂利を、水で混ぜ合わせるだけ。難しく考えずに、混ぜてしまえば、とりあえずはコンクリートの出来上がりです。

ざっと、材料のちょっとしたポイントを簡単に説明していきます。

セメント

これはもう、ホームセンターにあるもので!

韓国産でも中国産でも国産でも、安いセメントを使ってもらったら良いです。

これも、基本的に何でも大丈夫です。砂浜の砂みたいな細かいものより、公園の砂場の砂みたいな粒の大きい砂の方がコンクリート向きです。

もし、コンクリートに鉄筋をいれるつもりなら、海辺の砂はやめましょう。後々、鉄筋がさびることになります。

砂利

これも、何でも大丈夫!

できれば、角のとがった石よりも、河原の石みたいな丸い石の方が良いですが、砂利敷きの駐車場にあるようなとがった石でもちゃんとしたコンクリートになります。

砂利で問題なのは、粒の大きさです。20〜25mmの物を使用してください。細かな粒のものを使う場合、コンクリートの割合を変えなければなりません。

水道水でまったく問題ありません、

ですが!糖分は、コンクリートには厳禁です、コンクリートが固まらなくなってしまいます。

わざわざ、ジュースでコンクリートを作る人はいないと思いますが、水が足りないからと言って、手に持ったジュースを混ぜるのはNGです。

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コンクリートの割合とは

コンクリートの割合は、1m³あたりの量で考えます。

1m³(リューベ)とは、1メートル×1メートル×1メートルの箱に入る分量の事。

1m³のコンクリートを作るのに必要な、各材料の重さを決めます。量で考えて、重さを決める。これが、コンクリートの割合を難しくしている要因です。

コンクリートというのは、なにかの枠の中に流し込んで固めるものなので、枠の大きさが決まらないと、作る量も決まらない。つまり、材料の量が決まらないという事になるのです。

割合よりも先に考えるのは、コンクリートの量

まず、はじめに必要なコンクリートの量を計算します。

型枠の縦×横×高さで型枠(コンクリートを打ちたい場所)の体積を計算します。この時、cmではなくm(メートル)で計算するのがポイントです。

計算方法例:0.3m(縦)×0.6m(横)×0.4m(高さ)= 0.072m³と計算します。

最後に、計算結果に×1.1倍(0.072×1.1 = 0.0792m³)として余裕を見ておくと安全です。

割合はまずは砂利の量

ネットでは、水をたくさん入れればコンクリートは柔らかくなるとよく書かれていますが、半分は正解で半分は間違いです。

単純に水をただ多くしてしまうと、コンクリートの強度は下がるし、固まった後のコンクリートの表面も仕上がりが悪くなってしまいます。

コンクリートの固さは、砂利の量で決めます。

固いコンクリートは砂利が多く、柔らかいコンクリートは砂利が少ない。

コンクリートの決め手はW/C

W/Cとは、water / cement の略、つまり、水とセメントの比率のこと(水÷セメントの質量百分率)

なぜ決め手なのかというと、W/Cがコンクリートの強度を決めてしまうからです。先程、水を多くすると強度が下がると書きましたが、正確にはW/Cが大きくなると強度が下がるということです。

W/Cの目安は、65%程度で充分でしょう。個人で使う分には問題ない強度が出ます。

量でいくか重さでいくか

では、実際にコンクリートを作るのに必要な材料の割合を、量と重さの両方で説明していきます。まずは、1m³(リューベ)の必要量の確認から。

  • セメント 300kg
  • 水    200kg
  • 砂    800kg
  • 砂利   1000kg

正確には、重さから量を導き出すには密度が不可欠ですが、一般的な材料の密度でおおよその重さとしました。

これをもとに、必要なコンクリートの量に合わせて、材料の量を考えて行きましょう。

重さで考えるコンクリートの割合

コンクリートの必要量は、先程計算した数字とします。

0.3(縦)×0.6(横)×0.4(高さ)= 0.072m³×1.1 = 0.0792m³

0.0792m³が今回作るコンクリートの量となります。

重さで考えるのは簡単です。上記の重さと必要な量を掛け算するだけです。

  • セメント 300kg × 0.0792m³ = 23.76kg
  • 水    200kg × 0.0792m³ = 15.84kg
  • 砂    800kg × 0.0792m³ = 63.36kg
  • 砂利   1000kg × 0.0792m³ = 79.20kg

量で考えるコンクリートの割合

量で考える場合は、重さを量に変換しなけれななりませんね。その計算には、単位容積質量という数字を使います。単位容積質量とは、密度と充填率から求まる値です。

1リットルのペットボトルに入る水の量は、1リットルですね?その時の重さは1kg

1リットルあたり、1kgの重さなので、単位容積質量は1 kg /リットルとなります。

この数字は、材料毎におおよその目安があり、

  • セメント・・・3.0
  • 水   ・・・1.0
  • 砂   ・・・1.7
  • 砂利  ・・・1.6

ぐらいと考えてよいでしょう。この数字で、先程の重さを割ってあげると、必要な量が出てきます。

  • セメント 
    • 300kg × 0.0792m³ = 23.76kg ÷ 3.0kg /リットル ≒8リットル
  • 水    
    • 200kg × 0.0792m³ = 15.84kg ÷ 1.0kg /リットル ≒16リットル
  • 砂    
    • 800kg × 0.0792m³ = 63.36kg ÷ 1.7kg /リットル ≒37リットル
  • 砂利   
    • 1000kg × 0.0792m³ = 79.20kg ÷ 1.6kg /リットル ≒50リットル

コンクリートの練り混ぜ方とポイント

必要な材料を揃えたら、いよいよコンクリートを練り混ぜます。

ここで、コンクリートを練り混ぜるのにちょっとしたコツをお教えします。

コンクリートの練り混ぜ方
  • 手順1
    練り舟に砂を広げる

    練り混ぜに使う容器は、できれば平らな板よりも、箱型の深さのあるものが良い

  • 手順2
    砂に水を吸わせる

    準備した水の1/4程度を砂にかけます。

  • 手順3
    砂とセメントを混ぜる

    水をかけて湿った砂とセメントをまんべんなく混ぜ合わせる。

  • 手順4
    水を加えてモルタルを作る

    準備した水の1/4程度を残して、モルタルを練る。

  • 手順5
    砂利を加えてコンクリートを作る

    残した1/4程度の水は、コンクリートの具合を見て必要なら加える。

練る手順はこのようにすると失敗が少ないと思います。手順1のポイントですが、コンクリートは案外スコップでの扱いが難しいものです。

平な板の上などでは、上手にまとめるのが難しいので、飛び散らないように箱型の容器を使いましょう。

手順2.3のポイントですが、乾いたままの砂だと、セメントと砂のまとまりが悪いです。ある程度、砂が湿っているほうが、まとまりやすく楽に練れます。

手順4のポイントは、まずは、もんじゃ焼きのようにドーナツ型の土手を作って、水を入れることです。

手順5のポイントは、残した水を加えるかどうかの判断。

コンクリートの表面に砂のツブツブが見えるようなら水を足してもう少し練り混ぜてみてください。

コメント

  1. モルタルでやらかした より:

    この記事では「固いコンクリートは砂利が多く、柔らかいコンクリートは砂利が少ない」とありますが、2019.07.09(2021.01.23)の記事「モルタルとコンクリートの違いをたった一言で伝える」では「モルタルは、コンクリートより強度が高い」とあります。

    「モルタルは、コンクリートより強度が高い」のであれば「コンクリートはモルタルに砂利を加えたもののこと」なので、砂利が少ないコンクリートは、砂利の多いコンクリートよりもモルタルに近いということになり、砂利が少ないコンクリートの方が砂利の多いコンクリートよりも強度が高いことにならないでしょうか?。

    • jiego より:

      詳しい説明は割愛させて頂きますが、一般的な強度レベルのコンクリートは、骨材とセメントペーストの接着面から破壊が起こります。接着剤の強さを決めるのがW/Cですが、同じ強さの接着剤(同じW/C)でくっつけた場合、砂よりも砂利の方が剥がれやすくなります。そのため、モルタルとコンクリートを比較した場合、モルタルの方が強度が大きくなります。
      「モルタルでやらかした」さんの、砂利の量に比例して強度が大きくなるのか?という疑問ですが、答えは解りません。恐らくどこかの時点(砂利を減らし続けていけば)で強度に差が出るかとは思いますが、実用的な範囲で、コンクリートの強度に砂利の量が直接影響するという事はありません。
      強度差が出るほど砂利を減らした場合、強度以外のコンクリートとしての性能が保てない事、砂利を減らすことでコストがかさむ事など、デメリットの方が大きくなります。

  2. トクハラ キヨシ より:

    はじめまして。初めてメールします。
    いきなりで失礼なんですが今、マイホームをDIYしていて土間にコンクリートを打ちたいのでネット検索していた所、このサイトを見つけました。それで読んでいましたがちょっと分からない箇所がありメールしました。よろしくお願いいたします。

    本文中に「~0.3(縦)×0.6(横)×0.4(高さ)= 0.072m³と計算します。」との一節がありますがこれの意味が分からなくて困っています。前後の文脈から類推しようとしているのですがどうにも分からず困っています。

    すみませんが教えて頂けると助かります。よろしくお願いいたします。

    • jiego より:

      コンクリートを打つには、はじめにコンクリートがどのくらい必要となるかを計算しますが、コンクリートの量は、重さではなく体積で計算しなければなりません。
      土間コンクリートの場合、面積に対して、どのくらいの厚みで生コンを流し込むのかを考える必要があります。
      そのため、これからコンクリートを打つ場所の体積=縦×横×高さを計算し、必要となるコンクリートの体積を求めます。
      「~0.3(縦)×0.6(横)×0.4(高さ)= 0.072m³と計算します。」とは、必要量の計算方法例で、三辺の長さ(m)をかけて、コンクリートの量=0.072㎥を計算するという事です。
      単位がメートル(m)なのは、コンクリートの配合が、1㎥=1m角の立方体の量で作られているからです。
      もし仮に、近所の生コン工場にコンクリートを手配する場合でも、数量の注文は重さ(kg)ではなく量(㎥)で注文することとなります。

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